メイドインアース代表・前田剛の
〜オーガニック&エシカル コラム vol.4〜
「日本の在来種コットン“和綿”の栽培レポート」

日本の在来種コットン“和綿”の栽培レポート メイド・イン・アースでは、20年ほど前の鴨川和棉農園との出会いから、和綿(わめん、わわた:日本の在来種のワタ)の栽培に取り組んできました。以前は鴨川和棉さんとの契約栽培や知人の […]

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日本の在来種コットン“和綿”の栽培レポート

メイド・イン・アースでは、20年ほど前の鴨川和棉農園との出会いから、和綿(わめん、わわた:日本の在来種のワタ)の栽培に取り組んできました。以前は鴨川和棉さんとの契約栽培や知人の畑をお借りして栽培をしてきましたが、2014年からは横浜の民間農園をお借りして、スタッフ独自で和綿の栽培を続けています。

もともと、ワタは、日本原産のものではなく、大陸から渡ってきたもので、最初に上陸したのは799年。今の愛知県西尾市に漂着した崑崙人と名乗る青年によるものでした。そこから全国をまわり、ワタの種と栽培方法を伝えていったのが最初でしたがこの流れは、残念ながら定着することはなく途絶えてしまったそうです。それから600年ほど経った15世紀以降の室町時代に、朝鮮半島から渡ってきたワタが全国に広まり、各地域の気候風土にあった地方品種へとつながっていきました。

メイド・イン・アースでは、自分たちで和綿の栽培を続ける一方で、「絶えつつある和綿を残していこう」、「栽培を通してコットンに親しみを持ってもらおう」「国産ワタで製品を作っていこう」という思いから、「メイド・イン・アースの和綿プロジェクト」の活動をしてまいりました。保育園、幼稚園から小・中学校、高校などの教育の場や、一般家庭、地域団体など、ワタの栽培を通して、年代やそのグループに応じた“学びの場”が展開でき、今年も多くの方々にご参加いただきました。

普段、身に着けているコットンの衣服が、野菜や果物と同じように畑で作られている農作物で、学校の花壇や家庭のプランターで自分たちでも栽培できる身近な繊維であるということを体験してもらいながら、一枚の布ができるまでの過程や、通常の農薬を使用しているコットンなどの現状を知っていただくことで、エシカル消費、地産地消、SDGsといったサステイナブルな意識や行動を身につけてもらえたら、と思っています。

2019年は新たに、世田谷区の農家さんにご協力いただき、800㎡ほどの畑で和棉栽培に取り組みました。今年は、蒴果(コットンの実が弾けること)の時期に、大型の台風が何度も上陸し、かなりの量の幹がなぎ倒され、生育も危ぶまれましたが、可能な限り立て起こして、現在、20数kgほどの収穫ができています。収穫したワタは、2020年に、 世田谷産の無化学農薬・無化学肥料の和綿製品(オーガニックコットンと混紡予定)として、ものづくりをしようと考えています。心地よい和綿のアイテムを作りたいと考えていますので、ぜひお楽しみに。

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