- 暮らしの中で使ってほしい「メイド・イン・アース」
- 2011/04/22
さっと羽織って、ドレッシーに巻いて。あらゆるシーンに使えるカンボジアクロマー
これから肌の露出が多くなる季節。一枚鞄に入れておくだけで、涼しい日にはさっと羽織ったり、ちょっとした日よけ代わりにと、大活躍するおすすめアイテムが、オーガニックコットンのカンボジアクロマーです。天然の植物のやさしい色合い […]
- Tweet Tweet
これから肌の露出が多くなる季節。一枚鞄に入れておくだけで、涼しい日にはさっと羽織ったり、ちょっとした日よけ代わりにと、大活躍するおすすめアイテムが、オーガニックコットンのカンボジアクロマーです。天然の植物のやさしい色合いが、シンプルなオーガニックコットンの服にぴったりです。
●「クロマー」=万能布。何枚でもそろえたい!
桜色からキラキラ輝く若草色へ。日本の風景が模様替えするこの季節、カンボジアからさわやかな4色のクロマーが届きました。淡くやさしいライトピンクは、ベニの木科のチョムプーという実の種とアムピルトゥックというタマリンド科の木の樹皮で煮染めしたもの。さっそうとしたライトグリーンは、マテェというトウガラシの葉とアンキルディ、ノヌーンというナス科の葉で煮染め。やわらかなベージュはプリンという木の樹皮で煮染めして、そしてどんな服にも合わせやすいライトグレーは黒檀の実を発酵染めしたものです。
メイド・イン・アースのデザイナーである奥田智代は、「新発売の4色は、オーガニックコットン独特のきなり、グリーン、茶色ととても愛称のよい天然カラーです。シンプルなファッションにとても映えます。オーガニックを手つむぎした糸は素朴な手ざわりで、涼やかに見えても空気を含むのでとても温かいんですよ」と、自信たっぷりに話します。クロマーとは、カンボジアの人々が使う万能布のことで、ショールにしたり、腰に巻いたりと、用途に合わせて何にでも使えるのが魅力です。
先行販売する中判のクロマーは、幅が54cm、長さが176cm。とても使い勝手のよいサイズで、房がついているのでドレッシーにもカジュアルにも使いこなせます。幅90cm、長さ190cmの大判クロマーも準備中。こちらは上半身をすっぽり覆うことができ、用途も幅広そうですね。一人ひとりの織り手が時間をかけてていねいにつくるため、生産数が限られている希少価値の高い限定商品です。
メイド・イン・アースのブランド「WITH PEACE(ウィズ・ピース)」は、「地づくり、手づくり、夢づくり」がキーワードです。「NPO法人地雷原を綿畑に!Nature Saves Cambodia!」と、現地のNGO団体「Nature Saves Cambodia!」が、カンボジアの地雷原から地雷を撤去してオーガニックコットンの畑として開墾し、現地の方々の就農と手仕事の就労を支援するプロジェクトに、メイド・イン・アースは製品としてのブランド展開と販売という形で協力しています。売上金の一部は、新たな地雷原の地雷撤去とオーガニックコットン畑への転換費用として寄付しています。
●カンボジアの手織り、ものづくり産業の復権へ
今年1月、メイド・イン・アース代表の前田剛と、制作担当の堀越有美子でカンボジアを訪れ、北西部のバッタンバン州・バダク村でオーガニックコットンを栽培し、手つむぎで糸をつくるトーンさんや、プノンペン近くで染織を行うワンさんの工房を訪ね、技術指導かつ交流をしてきました。
「現地NGOの代表者・ラスメイさんは、このプロジェクトにものすごく意欲を持っていて、村の人々を励ましながら様々なチャレンジをしています。1月に訪れた際に見せてもらったサンプルがとてもよく、ほぼそのままの形で今回、商品化するに至りました」と、前田。
カンボジアは元々、綿織物やシルク製品の生産が盛んな地域でした。ところがベトナム戦争やポル・ポト政権下での内戦時代に、伝統的な手織りの技術と産業が途絶えてしまいました。ワンさんの工房にいるおばあちゃんたちが今、糸つむぎや織りを通して笑顔と誇りを取り戻していく様子を目にした前田と堀越。染織に詳しいメイド・イン・アースの堀越の技術指導を経て、カンボジアでつくられるクロマーのクオリティはどんどん向上しています。
●新作4色ができるまでの、現地の試行錯誤とチャレンジ
一度途絶えてしまった染織の技術を取り戻していくまでに、現地では様々な試行錯誤があったようです。
「WITH PEACE」の初期、カンボジアからサンプルで届いたクロマーの中に、真っ黄色のものがありました。「とても鮮やかできれいな色だったのですが、なんだかあやしい(笑)。案の定、洗ったらすぐに色落ちしてしまったんです」と、奥田。実はそれはマンゴーの果汁で染めたクロマーだったそうです。
「ポル・ポト政権時代に自由にものづくりができなかったという、現地の苦い経験がそのまま現れています。カンボジアの植物染めの技術や知恵の蓄積がストップしてしまったのです。ですから、現地近くで生息している、染織の材料になると思われる植物を用いて、私たちも現地の方々と一緒に、できる限りよい製品をつくってゆきたいと思っています」と、堀越。米糊の汁に紡いだ糸を浸して糸を切れにくくするなど、日々、試行錯誤を重ねて、現地では着実に技術力を磨いています。現地の織り機の特性に合わせて、まずはシンプルな平織りのクロマーをつくって技術をしっかりと磨いていく。そしてカンボジアにある昔からの独特の織りである綾織りでの製品企画など、今後は織り方や色の組み合わせで多彩にアイテムを展開していく検討を始めています。
「ようやく技術が安定してきて、また現地の方々は意欲を持ち様々な提案をしてくれています。今後、WITH PEACEのアイテムはどんどん進化していくでしょう。今後の展開を楽しみにしていてくださいね」(前田)
春夏/秋冬、シーズンごとに進化していくカンボジアクロマー。今後も要注目アイテムです!
(文・メイド・イン・アース@PRESS キタハラマドカ)