- メイド・イン・アースがいま考えていること
- 2014/07/25
メイド・イン・アースのワタ栽培! 今年は横浜、熊本で!
東名高速道路横浜町田インターチェンジからすぐ、横浜市緑区長津田町の有機農園で、今年、メイド・イン・アースの綿畑が本格始動しました。10坪ほどの小さな畑に区切られた農園は、全体がふかふかの有機質の土壌で、農 […]
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東名高速道路横浜町田インターチェンジからすぐ、横浜市緑区長津田町の有機農園で、今年、メイド・イン・アースの綿畑が本格始動しました。10坪ほどの小さな畑に区切られた農園は、全体がふかふかの有機質の土壌で、農園主の山根富佐郎さん、藤江惠一さんのていねいなお手入れによってとても美しく、いつも清々しい空気です。私たちメイド・イン・アースもここで1区画の畑を借り、2014年春から和綿の栽培を始めました。
メイド・イン・アースの本社からは車で1時間足らず、渋滞がなければ30分もあれば着いてしまいます。スタッフ数名で車に乗り込み、畑で汗を流したあとは、おにぎりを食べたり、農園主から採れたての野菜をいただいたり、畑での時間を楽しみながら、これまでに種まきや追いまき、雑草取りなどをおこなってきました。手をかけたぶん、すくすくと育つ和綿を見て、「ああ、今年もまた和綿をつなぐことができる」と喜びを感じます。
メイド・イン・アースが和綿を育て始めたのは、鴨川和棉農園の田畑健さんとの出会いがきっかけです。現在、日本で流通するコットン製品のほとんどは海外産で、日本のワタの自給率は工業的には0%。メイド・イン・アースのアイテムは海外で栽培され有機認証されたオーガニックコットンが原料です。日本でもかつてワタの栽培をしていましたが、伝統的な綿織物の技術もほとんど途絶えてしまいました。田畑さんは全国各地から、日本で昔から育てられてきた「在来種」である和綿の種を熱め、ご自身でワタを育てるばかりでなく、綿繰り(ワタと種を分ける作業)や糸紡ぎ、織りの技術を伝えていました。綿繰り機や糸車、織機、そしてガラ紡と呼ばれる昔ながらの紡績の機械の制作まで手がける田畑さんは、和棉の伝道師とも呼べる存在でした。
メイド・イン・アースは田畑さんに学びながら、2003年から2005年にかけて鴨川和棉農園に作付け依頼をし、「有機十割和綿 わ」の和綿マフラーを制作。また、2005年には自身も千葉県に1反ほどの畑を借り、和綿の栽培にも取り組みました。2008年には自由が丘店の屋上、店先でプランター栽培を始めました。2012年にはコピス吉祥寺店でもプランター栽培をして、お客様とワタを収穫するワークショップなどもおこなっています。
そんな風に和綿プロジェクトを続けてきた私たちの元に、昨年末、田畑さんの訃報が入りました。田畑さんに学び、薫陶を受けた身として、メイド・イン・アースらしく、和綿をどう伝えていけばいいのか、改めて真剣に考える機会を与えられました。今春、メイド・イン・アースの綿畑を再始動したのも、田畑さんに背中を押してもらったような気持ちでいます。
メイド・イン・アースは、伝統文化としての和綿の継承というよりも、あくまでもオーガニックコットンブランドとして、健康で心地よいオーガニックコットンを商品として広く普及し、また和綿を通じた日本国内のネットワークも広げていきたいと考えています。手紡ぎ手織りの高付加価値製品としての和綿の普及のみならず、一つの原料としてガラ紡などの紡績にかけ、商品として一般に流通できないだろうか。そのためには、私たち自身が和綿を継続的に栽培し、また同じ志をもつ全国の人々とネットワークを築いていきたい、という思いがあります。
和綿は5月上旬ごろ(アースコットンデーイベントを開催する5月10日ごろが適期です)種まきをして、5月下旬から6月には可愛らしい芽を出し、そこからはより大きく育てるために草取りや、間引きなどをして手をかけていきます。7月に入ると黄色い可憐な花を咲かせます。コットンはオクラやハイビスカスと同じアオイ科で、和綿はほのかな黄色や白で、花が終わったら、少しずつ、実がふくらんできます。早ければ8月の終わりにはワタが弾け始めます。9月〜10月がコットンの収穫シーズン。萼(がく)ごと摘み取り、あるいは茎ごと切って枯らしドライフラワーとして保存することもできます。
こうして自分たちで育てた和綿を、ワークショップを通じて綿繰りをしたり、手紡ぎ体験することで、コットンがどのようにして生まれ、糸になり、布に変わっていくのかを、メイド・イン・アースのファンの方々にも伝えていきたいと、私たちは考えています。メイド・イン・アースがこれまで開催してきたワークショップでは、子どもから大人まで、本当に多くの人がキラキラと目を輝かせ、ふわっふわのコットンボールをさわり、それを紡いで糸にすることに驚きと喜びを感じている様子を目の当たりにしてきました。
また、毎年4月中旬におこなわれるアースデイ東京に合わせ、お配りしている和綿の種は、多くのお客様の手に渡り、各家庭の庭やプランターで、和綿栽培の輪が広がっているのも感じています。
今後は、お客様の家や畑で採れた綿を、どう活用しようか、そんなことも考えています。例えば、収穫したワタを種ごとメイド・イン・アースに送っていただき、それをまた次の年、次の人に伝えていく。ワタはオリジナルの商品にして再配布していく……など、和綿を通じたコミュニティの広がりをイメージしています。
今年、熊本県で障がいのある方の就労継続支援として、和綿の栽培がスタートしました。メイド・イン・アースでもそのプロジェクトに参加し、栽培のお手伝いをしております。こうした活動の積み重ねから、和綿を原綿として仕入れて紡績にかけ、製品にしていく……など、和綿の栽培から広がる、新たな可能性を模索していきます。
メイド・イン・アースのFacebookページやブログなどで、今後も、綿畑の情報や和綿の成長状況をお伝えしていきますね。和綿の種が芽を出し、ワタになっていくまでの育ちの喜びを、ファンの方々と一緒に味わっていければうれしいです。