- ようこそ!布ナプキン
- 2011/12/23
「布ナプキンは“自分を大切にすること”の第一歩」
対談ゲスト:服部みれいさん(『マーマーマガジン』編集長)
自分を大切に慈しむ……そんなライフスタイルを提案する雑誌『murmur magazine(マーマーマガジン)』(エムエム・ブックス)編集長の服部みれいさん。『SELF CLEANING BOOK あたらしい自分になる本』 […]
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自分を大切に慈しむ……そんなライフスタイルを提案する雑誌『murmur magazine(マーマーマガジン)』(エムエム・ブックス)編集長の服部みれいさん。『SELF CLEANING BOOK あたらしい自分になる本』(アスペクト)では、布ナプキンについて「自分にやさしい自分になる第一歩」と紹介しています。
以前からメイド・イン・アースを取材してくださったり、この本でメイド・イン・アースの布ナプキンや、オーガニックコットンについて取り上げてくださったこともあり、以前から前田けいこがみれいさんとじっくり語り合ってみたいと、インタビューを熱望していました。
布ナプキンやオーガニックコットンの愛用者でもあるみれいさんに、「布ナプ生活の魅力」「布ナプキンで自分がどう変わるの?」など、前田けいこがあれこれ聞いてみました。
布ナプ生活で生理がラクになった!
前田けいこ(以下「け」): みれいさんが布ナプ生活を始めたきっかけについて教えてください。
服部みれいさん(以下「み」): 以前から布ナプキンの存在は知っていましたが、本格的に始めたのは4、5年ほど前からです。それまでは、多分ほかのみなさんと同じように、お洗濯やモレなどへの心配から敷居が高いと感じていました。
ところが、アースデイなどの環境イベントに行くとたくさんの布ナプキンのお店が並んでいて、可愛らしい布ナプキンをあちこちで目にするようになり、「一度使ってみようかな」と。プラス、すでに布ナプ生活をしていた友人からのすすめも大きな後押しになりました。
け: みれいさんはどのように布ナプ生活に慣れていったのですか?
み: 布ナプキンを使い始めたころは、生理の最初と最後の、量が少ない時からだんだん慣らしていきました。
実は、元々使い捨てナプキンの“紙っぽさ”が好きではなかったので、生理の最初と最後はそもそもナプキンを使っていなかったのです(!)。ショーツが多少汚れても構わないし、洗って使えばいいや、と。元々がそんな感じで生理期間中を過ごしていたので、軽い日から布ナプキンを使い、だんだん2日目など量が多い時にも使うようになりました。
布ナプキンを使い始めてみると、使い捨てナプキンのように経血が広がっていく感じがないんですね。経血が垂直に吸収されていくというか……。そのように実際使って体験してみて、「布でも大丈夫!」と自信がつき、工夫がでるようになるんでしょうね。
け: 使い捨てナプキンから布ナプキンに変えて、カラダに変化はありましたか?
み: 生理の期間が短くなりました。以前はダラダラと経血が出て一週間くらい続いていたのに、パッと始まり、4日間くらいでパッと終わるようになったのです。また、布ナプキンにしてから、生理中のニオイが気にならなくなりました。
生理痛も軽減しました。高校生の時は保健室に行って休んだりするほどひどいこともありましたが、いまはそういうことはありません。PMS(月経前症候群)も減りました。意味もなく泣けてきたり、わけもわからずに怒ってしまうような感情の波も、いま思えばPMSだったのかもしれませんが、そういうことが布ナプキンにしてからなくなりました。
け: 感受性が豊かな方ほどPMSにはなりやすいと言いますからね。
み: そうなんですよね。あと、『SELF CLEANING BOOK あたらしい自分になる本』にも書きましたが、洋服がもし紙でできていたらどうだろう? ……って。気持ち悪いですよね。それと同じことで、しかも女性のカラダの中でも最もデリケートな部分に紙を当てているのは、カラダにとって結構な負担になっていると思います。
け: 私たちが布ナプキンをつくり普及しているのも、その感覚が動機になっている面が大いにあります。
み: 特にオーガニックコットンの布ナプキンだと、吸収力もありますし、経血が広がらないし、肌ざわりもいい。色や柄の可愛い布ナプキンもいいですが、私は布ナプキンに関しては機能性を重視しているので、メイド・イン・アースさんのオーガニックコットンの布ナプキンを愛用しています。
“魔法の粉”があると布ナプ生活を始めやすい!?
け: 布ナプを始めるにあたって、お洗濯で挫折する方も多いんです。それで、つけ置きするだけで経血の汚れがスルリと落ちるアルカリ洗剤「ウォッシュヘルパー」を開発しました。
み: これこれ! まさに“魔法の粉”ですよね。「ウォッシュヘルパー」を使ったら驚くほど汚れが落ちるので、私も愛用しています。使い捨てナプキンを使っていても経血がモレたりしてショーツが汚れることがありますが、布ナプキンのお洗濯って、その汚れを洗うのと同じくらい簡単でちょっとした手間なんですよね。私はお風呂に入る時に布ナプキンをつけ置きして、たっぷり半身浴した後にサッと洗っていますが、とても簡単に経血が落ちます。この魔法の粉、ぜひ布ナプキンの使い始めから試していただきたいですね。
個人的な体験ですが、生理が短くなったり、生理痛やPMSが軽くなり、そして経血のニオイを感じないこと、お洗濯のラクさ、それから自分の最も大事な部分がオーガニックコットンで守っていることの安心感を知ってしまうと、布ナプ生活はやめられなくなります。
け: みれいさんは布ナプキンの使い方で何か工夫されていることはありますか?
み: 私のお気に入りは三つ折り布ナプキンです。折り方次第で色々工夫できるのがいいですよね。ホルダータイプも使っていますが、メインは三つ折りで、間にパッドをはさんだり、扇形に折ったり、ホルダータイプの上に重ねるなどして、量の多少で調整しています。
私の場合はさらに、量が多い日は保険として使い捨てナプキンを一番下に敷くこともあります。その上に布ナプキンをたくさん重ねて、汚れたら一つずつ外してジッパー付きのビニール袋に入れて持ち帰ります。どうしても量が多くてすべての布が汚れてしまったら、使い捨てナプキンを使えばいいのですし……。
布ナプキンにしてよかったことの一つに、ゴミの処理から解放されることもあります。使い捨てナプキンを公衆トイレの三角コーナーなどに捨てる時、衛生的にもストレスがあったんです。コンビニやドラッグストアで使い捨てナプキンを買う時に紙袋でパッケージを隠されるのも、何か悪いことをしているみたいで……。決して「悪いこと」や「恥ずかしいこと」ではないのに。
け: 使い捨てナプキンは、「紙」とは言ってもポリエチレンフィルムやラミネート剤、高吸収ポリマーなど石油化学製品でできていて、肌ストレスに悩む女性が多くいるのも気になります。日本で使い捨てナプキンが出てきて約半世紀。まだ歴史が浅いんですよね。
み: 使い捨てナプキンが女性の社会進出に貢献してきたのは間違いなくて、紙と布、両方のよい側面を受け取ればいいと思います。OLさんや職務上どうしても使い捨てナプキンしか使えないという方は、多い日と少ない日で紙と布を使いわけたり、併用すればいい。
でも、布ナプキンを使ってみると、いざという時にどっしりと構えていられますよね。例えば大震災などで物不足になり、生理用ナプキンが足りなくなって困ったときでも、ケースバイケースではありますが、布ナプ愛用者であれば、「紙がなくても、布ナプキンが足りなくなっても、いざとなったらタオルでも何でも布を当てればいい!」って腹をくくっていられるかもしれないですよね。
布ナプキンは、「新しい自分になる」ための入口。
け: 布ナプ生活を始めると、生き方や価値観まで変わってしまう人が本当に多くいらっしゃいます。みれいさんの経験ではどうでしたか?
み: 私の場合は、4、5年くらい前に、布ナプキンや冷えとり(*1)、アーユルヴェーダ(*2)など、短期間で一気にホリスティック(*3)な知恵を取り入れた生活を始めたので、すべてが相互作用していて、一概に布ナプキンのことだけを言えないのですが……。「生理の時は使い捨てナプキンじゃなきゃダメだ」というマインドセットが外れますよね。
『マーマーマガジン』では「自分を大切にすること」をモットーに発信していますが、布ナプキンはその第一歩を踏み出すのにとてもよいきっかけになると思います。例えばオーガニックの食材を使った食生活を始めたり、オーガニックコスメやオーガニックのシャンプーを使うことは、カラダに直接作用するので反応もダイレクトでわかりやすいのですが、実は肌につける布が何かというのも、それと同じくらい重要だと思います。布ナプ生活は人生の核心にさっと近づけるという感じでしょうか……。
け: 布ナプキンだと、生理期間中の過ごし方も変わってきますよね。
み: 生理の期間をどう過ごすか、それは出産や、後々の更年期の生活にも大きく影響してくると思います。例えば「ああ、また生理がきた、イヤだなあ」と思って過ごすのか、「今月も生理がきてくれた。よい浄化が行われてうれしいなあ」と感じるかで、自分自身の扱い方も変わってきます。生理がくるから自分をいたわったり、生活をセーブしてゆったり暮らすことは、自分に対するとても大切な気遣いでもあるんですよね。
生理をキライにならない、これはすごく大切なことだと思っていまして、布ナプキンにすると、自分を大切に扱う態度が身につく気がします。自分のカラダの一番大切なところに一番いい布を当てる、生理のときじゃなくても、まずはオーガニックコットンの布ナプキンをショーツに当ててみて、その温かさややさしさを感じていただくのがおすすめです。
女性が自分のことを大切にできると、いつか産むかもしれない赤ちゃんや、パートナーや、友人や仕事仲間のことも大切にできるようになると思います。
そんなわけから、布ナプキンは「自分が新しくなっていくこと」への入口だなあ、と私は思います。
*1)冷えとり=現代人の不調の原因は心身の冷えにあると考え、半身浴や靴下の重ねばきなどで冷えをとり健康を保つ、進藤義晴氏が提唱した健康法
*2)アーユルヴェーダ=5000年の歴史を持つ世界最古の伝統医療で、その世界は医学に留まらず、生活や生命科学、哲学まで幅広くつながっている
*3)ホリスティック=全体的、統合的、包括的、という意味。身体だけでなく心、魂、環境までをも含めた全体的視点から健康を目指す
自分を大切にする知恵
け: 最近、若い女性に子宮系の病気が増えているでしょう? それがとても気になっています。
み: 本当にそう! おそらく生理との付き合い方や、カラダが冷えていることも関係していると思います。布ナプキンの愛用者は、カラダの冷えについても理解しやすいと思います。
け: 実はこの12月に、メイド・イン・アースで初めての絹製品を販売したのです。「温&温(on and on)」シリーズといって、京都・西陣の絹織物専門店の塩野屋さんとのコラボレーションで、国産100%のシルク五本指ソックスと先丸ソックスです。
み: 人は寝ている間に足裏だけでコップ1杯分の汗を出すと言われていますが、絹は汗などをとてもよく吸い取ってくれますよね。冷えとり健康法では、特に絹は汗や体内の毒素を吸収すると考えられていて、肌にふれる部分は絹の五本指ソックスをはき、その上に綿の五本指ソックスを、さらに先が丸い絹のソックス、先丸の綿のソックスというように、最低4枚、絹と綿を重ねていきます。最初のうちは4枚も重ねるのはハードルが高いと感じる方もいると思うので、絹の五本指と綿のソックスを重ねるだけでもいいと思います。
私は冷えとりを始めて、体調も、心も、生き方も、大きく変わりました。布ナプキンと同じように、いつも足元が温かくて、周囲で風邪が流行していても風邪をひかなくなったし、若々しくなりました。精神的にも安定してどっしりと構えていられるようになりました。“心の冷え”も少しずつでは前よりはとれはじめている……そんな感じです。
絹を生み出す蚕って、「天の虫」って書くでしょう? 絹の吸収力を感じるたびに、「絹が私の体内の毒を天に吸い上げてくれている」と感じています。だから、絹を足の裏に身につけているって、すごいことだなあ、と。
オーガニックコットンの布ナプキンにしても、冷えとりの絹のソックスにしても、天然素材の布の力は偉大だと思います。
け: 実は私も体調を崩した時に、冷えとりや絹製品を身につけること、アーユルヴェーダなど、みれいさんの本に書かれているのと同じようなことを実践していて、本を読んでびっくりしたのを覚えています。そして、メイド・イン・アースはオーガニックコットンのブランドなのに、お客様がみれいさんの本を持っていらして、「絹の靴下はありませんか?」と尋ねられることが増えて、これは絹のソックスをつくらなきゃ、と!
み: いまはカラダだけでなく心の不調に悩まされている人も本当に多くて。心身が冷えていると元気は出ないですよね。だから、せめてショーツの中とか、足元だけでも、だまされたと思って温めてほしいですね。不調は多分カラダからのSOSで、カラダが信号を出して教えてくれているわけですから、それに耳を傾けてほしい。
け: その時に、ちゃんと自分を大切にしてあげられると、自分を変えるいいチャンスにもなりますよね。
み: 一つきっかけがあると、アーユルヴェーダや中医学に出会うなど、古今東西の「自分を大切にする知恵」に行き着きますよね。前田さんや私がそうだったように、ホリスティックな知恵につながっていくと思うので、この記事を読んだ方には、布ナプキンをぜひ始めてほしいな、と思っています。
私は布ナプキンや冷えとりを始めて、いつもカラダにエネルギーが満ちているのを感じています。自分がいつも温まっていて、幸せで。
人に何かをおススメしたいと思った時に、やみくもにアイテムや方法を伝えるのではなく、自分自身が満ちて温かく幸せであることが、他人にも幸せを広げる一番のきっかけになるんじゃないかなあ。
女性が自分らしく輝けるような世界にたどり着く道はきっとたくさんあります。オーガニックコットンやオーガニックフード、オーガニックコスメでも、どのルートからでもいい。みんなが見ている頂上はきっと同じですが、布ナプキンや冷えとりは、その近道だと思うんですよね。自分の中にもっているものが発揮されて、自分らしく輝き、幸せでいられる。その感覚をぜひ、一人でも多くの人に味わっていただきたいと思っています。
け: ありがとうございました。とても共感する話がたくさん出てきて、またゆっくりお話できたらいいですね!
服部みれいさんの著書『SELF CLEANING BOOK あたらしい自分になる本』と、みれいさんが編集長を務める『murmur magazine(マーマーマガジン)』は、メイド・イン・アース自由が丘店と吉祥寺店でも取り扱いをしています。
『マーマーマガジン』のオフィシャルサイトでは、本誌との連動企画や、みれいさんの著書の紹介、メールマガジンなど、お得な情報が盛りだくさんです!
http://murmurmagazine.com/
【プロフィール】
服部みれい(はっとり・みれい)さん
女性が本当に美しく、そしてしっとり甘く生きるための知恵や情報を厳選してお届けする『murmur magazine(マーマーマガジン)』編集長・発行人。冷えとりグッズを扱う専門店mm socks(www.mmsocks.com)、本のレーベルmm books(www.mmbooks.jp)主宰。『冷えとりガールのスタイルブック』(主婦と生活社)など、ホリスティックな生活や医療に関する書籍の企画・編集多数。『SELF CLEANING BOOK あたらしい自分になる本』(アスペクト)、『オージャスのひみつ』(中央公論新社)、『 SELF CLEANING DIARY 2012 あたらしい自分になる手帖』(アスペクト)、『みれいの部屋 ニューお悩み相談室』(主婦と生活社)、『服部みれい詩集 甘い、甘い、甘くて甘い』(エムエム・ブックス)など、今年出た著書だけでも多数。オーガニックでホリスティックなライフスタイルを目指す女性には、いま最も目が離せない存在!
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